(第一回)事業承継・小規模M&Aは、いつから話題になり始めたのか?

(第一回)事業承継・小規模M&Aは、いつから話題になり始めたのか?

- ビジネスマーケット 表

弊社は、事業承継・小規模M&Aマッチングプラットフォーム「ビズマ(BIZMA)https://bizma.jp/」を運営しております。

このブログをご覧頂いた方は、2018年も夏の終わりを迎えつつある現在であれば、新聞やネットメディアにおいて、「大廃業時代」といったセンセーショナルなお題と共に今後10年間で127万者といわれる途方もない数の事業者が廃業を余儀なくされるといった記事をご覧になり、なぜそんなことになっているのかと疑問を抱いている方や、数百万円で会社を買うことを推奨する書籍をご覧になり、ご自身の次のキャリアを考えるにあたり、単なるキャリアアップだけでなく、経営者としての第一歩を考えておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかしながら、このサービスを準備し始めた2年弱前であっても周囲に「事業承継」という単語を耳にする機会はほとんどなく、「事業承継」と「事業継承」を区別して使っている方もまだまだ少ない状況でした。(この違いは、また別の回でご紹介したいと思います。)

実際に市場が注目され始めてからまだ2年弱

それから1年もたたない2017年の後半にかけて、人材紹介において輝かしい実績があるビズリーチ社が参入するなど、これまでの事業承継・小規模M&Aといえば、税理士や公認会計士、中小企業診断士といった士業の先生方が担う事業であり、それ以外の事業者が携わることはあまりありませんでした。

そのマーケット環境がこの1年で大きく変化してきているというのが実態であり、まだまだ市場における事業者やプレーヤーも、そのルールや事業スキームを模索している状況だと私は考えています。

難しい専門用語の解説だけでない、事業運営の悩みを共有する場として

このブログではそんな未だ黎明期ともいえる事業承継・小規模M&Aの市場を健全に発展させるために、我々自身も含めた知識や経験のない参加者や未来の参加者に向けて、基本的な知識収集、事業者サイドからみた日々の試行錯誤をご笑覧頂く場としていきたいと考えております。

なぜ事業承継・小規模M&Aに携わろうと考えたのか?

私自身が、事業承継・小規模M&Aのマーケットに携わろうと考えた理由は2つあります。

1つ目は、私自身のバックグラウンドにあります。
私の故郷は、北陸の石川県であり、私の父親は、福井県に近い加賀市というところで、山中漆器という伝統工芸の職人をしています。
そんな父親の背中を見て育った私にとって、ビジネスといえば、漆器に蒔絵という装飾を施して、出荷することそのものでした。
しかしながら、現在他の地域の伝統産業と同じように、市場の縮小などの影響もあり、私自身が後継ぎとして事業を成していくことが難しい状況にあります。
しかしながら、三つ子の魂百までの言葉の通り、折に触れ、家業のことを思う日々の中、99.7%が中小零細企業という日本独特のビジネス環境においては、自身の状況と同じような境遇におられる方々に出会うことも多く、いつの日かそのような日本経済を支える中小零細企業の方々に恩返しできるようなサービスを担いたいと考えていたからに他なりません。

また2つ目の理由は、以前事業会社で投資子会社を立ち上げるにあたり、日本のM&A取引の実態を垣間見る機会があり、どうにかその時に感じた課題を解決することができないかと考えたからです。その課題というのはご存知の方もおられるのではと思いますが、

特殊な市場環境

日本のM&A環境というのは欧米と比べてかなり特殊な環境にあります。まず、M&Aの案件に出会う機会が極めて少ないことです。これは市場の問題を超えた私達日本人の気質にも繋がる部分でもありますが、まず会社を誰かに売りたいといった話を事業オーナーはしたがりません。何故かと言えば、「会社を誰かに譲りたいと考えている。」と言おうものなら、「体でも壊したのか?」「資金繰りがうまくいっていないのか?」といったネガティブな答えしか待っていないからです。欧米においては「会社を売りたい」という話をしたら、帰ってくる言葉と言えば、「おめでとう!次は何をするの?」といったポジティブなものが多いため、自然とM&A案件の情報も公になりやすいのです。結果として日本においては、M&A案件の情報は専門業者に聞くかもしくは、自身のネットワークの中で、実際に困っている方に直接出会うことが無い限り、巡り合うことが難しいのです。結果として、私自身、投資子会社の立場で投資を実行するにあたり、M&A案件を求めて、専門業者を頼ることになりました。

高額な着手金と手数料

その際、気に入った案件を理解するため、オーナーとの面談を設定するために高額な着手金の支払いが必要であるということ、更に案件が成約した場合には、成約手数料として、場合によっては数千万円規模の手数料を徴収されるという実態を知り、会社の売買という極めて重要な取引であるので高額になってしまうことは理解できるものの、前述した日本企業の99%を占める中小零細企業の年商はそれこそ数千万円です。その企業の仲介料が数千万円ではビジネスとして成り立たないのは小学生でもわかります。これが日本で「M&A」という単語に対する印象が良くない理由の一端なのだなと感じ、この課題を解決したいと考えるようになったのです。

おわりに

上記のような課題を解決に導き、多くの方々に事業承継や小規模M&Aが、日本の優秀な技術や技能を引き継ぐための有効な手段であると認識頂き、それにチャレンジしようとする方々増えていくようにサポートしていきたいと考えています。しかしながら、前段でも申し上げた通り、M&Aは会社の売買です。会社の売買である以上、大小問わず大きなリスクが伴います。このブログでは、そのリスクを理解した上で、自身でもチャレンジする人を応援したいと考えていますが、安易に少額なM&Aを推奨するだけでなく、取引に伴うリスクやその解決方法などもご提案して参りたいと考えております。