(第6回)事業承継?事業継承?どう違うのか

(第6回)事業承継?事業継承?どう違うのか

- ビズマ運営事務局

事業承継というワードが少しずつ認知度を得られてきた昨今ではありますが、現在でも多くの方々とお話するにあたり、金融機関やM&Aの専門家といった方々を除けば、「事業承継」というワードと「事業継承」というワードの意味の相違を意識されていない方のほうが一般的であるように感じています。
専門家の方々からは「何を今さら・・・。」と言われてしまいそうですが、これから事業承継を考えてみよう。自分自身は事業承継とは縁遠い立場にある方々にも、当サイトならびにこの記事をご覧頂いて少しでも事業承継を身近に感じて頂けるきっかけになればと考えております。

事業に関わらず「承継」「継承」という言葉の違いとは

「承継(しょうけい)」「継承(けいしょう)」ともに、何らかのものを受け継ぐことを意味するという点では類義語ではありますが、それぞれ受け継ぐものが異なります。
「承継(しょうけい)」の受け継ぐものは、先人の「地位」「事業」「精神」など
「継承(けいしょう)」の受け継ぐものは、先人の「権利」「義務」「財産」など

また上記以外の特徴として、「承継」には法律用語としての側面があるとともに「精神」が含まれている点からもわかるようにビジョンや理念といった抽象度の高いものが含まれています。一方で「継承」には「財産」に代表されるような具体的なものを“そのまま”受け継ぐといった意味合いが含まれています。皇位継承といった言葉も一般的ですね。

結局どちらを使えばよいのか?

上記の通り、それぞれ使い方に違いはあるものの第三者から会社を譲り受けることを想定した場合、地位や創業の精神を引き継ぎ、その権利や財産も引き継ぐこともケースとしては多いのではと思います。会社代表という肩書や株式などの財産だけでなく先代の理念を引き継ぐということを鑑みれば「事業承継」の方がより適しているのではないかと考えられます。また、「事業承継税制」や「中小企業経営承継円滑化法」といった法律の名称としても利用されていることからも、契約書の締結といった法律上の手続きを経て会社を引き継ぐ場合も、「事業承継」として、承継という言葉を使うのが一般的と言えます。
一方でいわゆる事業譲渡のような会社が運営する事業の一つを受け継ぐ場合は、敢えて事業継承という言葉を用いても良いのではないかと考えられます。実際に意図して使われる専門家の方々もいらっしゃいますね。

如何でしょう?承継と継承のニュアンスの違いが少し理解できましたでしょうか?

ちなみに英語では?

調査した限りでは、「承継」の意味に近いのが「succession」であり、「継承」の意味まで含むものが「accession」「devolution」のようですが、今回の記事で記載したような明示的な違いが日本語の「承継」「継承」のようには無いというのが実態のようです。今回調査をしてみて感じたことですが、言葉一つとってみても、各国の文化や考え方の相違が垣間見えるようで非常に興味深いものですね。