令和3年度税制改正の大綱(後編)

2021年04月14日ビズマコミュニティ 管理者

前回2月19日に中編をお届け致しましたが、今般は「令和3年度税制改正の大綱」の後編をお送りさせて頂きます。今回にて税制改正のテーマは最後になります。

今般は事業承継や相続・贈与に関係する資産税関連の改正点を中心にお届けして参ります。

令和3年度における資産税の改正でご案内をさせて頂きたいのは3点です。以下順番にご案内して参ります。

1, 非上場株式等に係る相続税の納税猶予の特例措置に関する後継者役員要件の緩和

非上場株式等における相続税の納税猶予の特例措置は、従来よりあった一般措置に加えて、平成30年に追加された向こう10年間(平成30年~令和9年)の期限付きの措置です。今般この期限付き措置について一部要件緩和があったもので内容は以下の通りです。

次に掲げる場合には、後継者が被相続人の相続開始の直前において特例認定承継会社の役員でないときであっても、本制度の適用を受けることが出来ることとする

① 非相続人が70歳未満(現行:60歳未満)で死亡した場合

② 後継者が中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律施行規則の確認を受けた特例承継計画に特例後継者として記載されている者である場合

経営者の高齢化は毎年着実に進んでいますので、それを踏まえた改正ですね。

2, 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の見直し

令和3年4月1日から令和3年12月31日までの間に住宅用家屋の新築等に係る契約を締結した場合における非課税限度額が現行より以下の通り引き上げられます。尚、この内容は令和2年4月1日から令和3年3月31日までも適用されていましたので、実質的には期間が延長されたものです。

 

3, 教育資金、結婚子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の見直し

本制度については平成25年よりスタートし、令和3年3月31日までとなっていましたが、今般制度そのものを2年延長することになりました。一方で経済格差の固定化に繋がるとの側面もあることから、従来は贈与後3年超経過して贈与者が死亡した場合は、仮に贈与した金額分に対する未使用の残高があったとしても、相続税は非課税とされていましたが、今後は、贈与後から贈与者死亡時迄の期間にかかわらず、残高が残っている場合は相続税の課税対象になることになります。

今般は、事業承継というより、相続・贈与に関する内容を中心にお伝え致しましたが、弊社がターゲットとさせて頂いております中小企業・小規模事業者の経営者の皆様は、経営者であると同時に会社の株主であることが圧倒的に多く、株主である以上はそれが非上場株式であろうと価値があり、事業の承継とともに資産の承継として重たい課題となってくることが多くあります。

経営者(オーナー家)の相続対策は常に事業承継とセットで考えることが重要であり、今般テーマに取り上げた各種資産課税関連の仕組みも活用しながら長期的な目線で対策を講じていくことが必要となることを最後に付け加え、全編、中編、そして今般の後編と3回に分けてお届けして参りました令和3年度税制改正の大綱を締めくくりたいと思います。

以上

【参考】

https://bizma.jp/blogs/6 令和3年度税制改正の大綱 (前編)

https://bizma.jp/blogs/7 令和3年度税制改正の大綱 (中編)