中小企業M&Aにおける表明保証保険とは?

2021年05月24日ビズマコミュニティ 管理者

中小企業庁は、4月28日、今後5年間に実施すべき官民の取組を「中小M&A推進計画」として取りまとめました。

この中小M&A推進計画の主なポイントより、小規模・超小規模M&Aの円滑化に向けた施策として以下が挙げられています。

・新たな補助類型の創設等により経営資源引継ぎ型創業を推進

・最低限の安心の取組を確保するため、保険料への補助を開始して表明保証保険の活用を推進

2021年度から表明保証保険の市場が活性化するまでに必要な間の特例措置として、事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)の補助対象経費に表明保証保険の保険料を含める。

と具体的に謳っています。今回はこの表明保証保険について着目してみたいと思います。

そもそも表明保証保険とは

買収契約書に売り手が表明した内容が正しいことを保証し、M&A成立後に表明内容と実際の状況が異なった場合に損害を補償する保険です。

税金の支払い漏れなど事前のデューデリジェンスでも発覚しなかった損害を補償するものでM&Aにおけるリスクを軽減することができます。

表明保証保険のメリットとは

2020年12月には中小企業向けの表明保証保険が発売され、より認知されるようになりました。特に中小企業間のM&Aでは、売手企業の経営者自身も気づかないような負債を抱えている可能性があります。契約後の買い手のリスクを軽減するために表明保証保険はとても有効です。

保険があることでデューデリジェンス(DD)が過剰にならない点もメリットです。どれだけ詳細にDDを行ったとしても完璧にリスクを把握できるとは限りません。

売り手も気づくことができなかった負債についても損失の補償が行われるため、買収が決断しやすくなることが考えられます。結果としてM&Aが円滑に進むことが期待されるでしょう。

ちなみに表明保証保険には譲渡企業が保険契約者となる「売主用表明保証保険」もあります。一般に利用されている多くは買主用表明保証保険です。

譲渡企業が表明保証保険を利用するメリットも

売り手企業側にももちろんメリットはあります。

1番の利点はクリーンエグジットを実現できる点です。

クリーンエグジットとは、後日賠償請求を受けるリスクを排除して、当該事業から完全に撤退することを指します。譲渡企業は、表明保証保険を利用することによりM&A実施後の補償リスクを保険会社が負ってくれるため、クリーンエグジットができます。

またもう1つのメリットは買い手との良好な関係維持というところです。

M&A成立後にトラブルが発覚しても、買手はその費用を保険で賄うことができます。これによって、売手は買手に迷惑をかける心配がなくなります。

以上表明保証保険の概要をお伝えしてきました。

 

最近では、中小企業の円滑なM&A取引を実現すべく、国内M&A向けの表明保証保険が大手保険会社で続々と販売されています。

出典:中小企業の経営資源集約化等に関する検討会取りまとめ概要

 

表明保証保険に加入する手続きは短くとも数週間ほどかかります。また、実際には複雑な手続きがあることも多いため、詳しくはM&Aアドバイザーなどの専門家に相談するのがよいでしょう。

ようやく小規模M&Aの場合でも表明保証保険を利用できるような仕組みが整えられました。円滑な第三者承継を実現できるよう活用を検討してみてはいかがでしょうか。

【参考】経済産業省HP

https://www.meti.go.jp/press/2021/04/20210430012/20210430012.html