廃業への道のりは平坦か?!(前編)

2020年12月14日システム 管理者

廃業前編

東京商工リサーチによると、2020年1-10月に全国で休廃業・解散した企業は4万3,802件で、2019年の年間件数を既に超えています。新型コロナによる経営不振で廃業した会社は多数あり、廃業件数が最多だった2018年を大幅に上回るペースで推移しています。今後も休廃業はさらに増えてくると予想されます。

 

引用元:2020年1-10月「休廃業・解散企業」動向調査

https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20201126_02.html

 

 

https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200122_03.html

引用元:2019年「休廃業・解散企業」動向調査

新型コロナにより拍車はかかっていますが、廃業件数自体は以前から増加傾向にありました。廃業した企業の代表者年齢に着目すると、60歳以上が8割を占めているなど、主に経営者の高齢化や後継者不足による廃業が増えている状況が見て取れます。

 

黒字廃業も⁈ 中小企業庁の調査では、廃業した会社の約40%が黒字だったというデータもでています。廃業が経営面の悪化によるものだけではないことがわかります。

黒字廃業する主な理由としては、元々自分の代でやめようと思っていた、後継者がいない、事業に将来性が見いだせないといったことがあるようです。

 

https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200122_03.html

引用元:2019年「休廃業・解散企業」動向調査

 

このコラムをご覧になっている方の中にも廃業を考えている人がいらっしゃるかもしれません。

それでは実際に廃業するにはどうしたらよいのでしょう。簡単に済むものでしょうか。

以下にまず手続きの流れをご紹介します。

 

手続きは簡単か? ~法人の廃業手続き~

①解散の準備

②株主総会での解散の決議

③解散・清算人選任登記

④解散の届け出

⑤社保関係の手続き

⑥解散公告

⑦解散時の決算書類の作成

⑧解散確定申告

⑨債権回収、債務弁済など

⑩残余財産の確定・分配

⑪決算報告書の作成・承認

⑫ 清算結了登記(※決算報告書承認後2週間以内)

⑬清算確定申告(残余財産確定日から1か月以内)

⑭清算結了届

 

~個人事業主の廃業手続きの流れ~

事業終了日の決定 関係者への廃業の通知 資産・負債の整理 廃業届を含む各種書類の提出 ・個人事業の開業・廃業等届出書

・消費税の事業廃止届出書

・給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書

・所得税の青色申告の取りやめ届出書

・所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書

・都道府県税事務所や市町村役場にも廃業届を提出

いかがでしょうか??それぞれの手続きについて詳細は割愛しますが、一口に廃業するといっても、これだけの手続きを踏まなくてはなりません。当然費用も時間もかかります。法人であれば尚更です。

次に考えられる費用です。

廃業時に登記等にかかる費用 解散登記 30,000円

清算人選任登記 9,000円

清算結了登記 2,000円

官報公告 約30,000円

登記簿謄本・印鑑証明書など 2,000円程度

司法書士や税理士の費用 約30万円~40万円程度

この他賃貸物件の原状回復費や在庫の処分費用も考えられます。

黒字廃業が多いことについては触れましたが、借入金がある状態で廃業は可能なのでしょうか。

借金があっても廃業できる?? 個人事業の場合、廃業のための手続きは税務署などへ届け出を提出するだけで完了です。借入金の有無に関係なく可能です。ただし債務そのものは廃業しても消滅しません。(個人の財産で返済する必要が残ります。)

一方で法人の場合、借入金が残っていると清算結了の登記ができません。したがって廃業することは出来ません(破産することは可能)。

 

そもそも廃業すると得られるメリットとは何でしょうか。

廃業するメリットとは 倒産とは違い、不名誉ではない?! 赤字が続いても廃業するのが惜しくてずるずると経営を続けた結果、倒産して資産を失ってしまうこともあり得ます。黒字のうちに廃業するのが資産を守ることにつながり、結果メリットとなると考える方もいるでしょう。

経営のプレシャーから解放される 中小企業や個人事業の経営者はプレッシャーが大きく、早く解放されて楽になりたいと思っている方も多いかもしれません。こうした経営の責務から解放されるというのも、廃業のメリットといえるでしょう。

以上、廃業にかかわる手続きや費用、メリットについて述べてきました。しかしながら廃業を選択することが本当にベストなのでしょうか。本当に廃業しか方法がないのか、最善を尽くした結果なのか、その決断の前にもう一度廃業の意味を見直してみませんか?

次回後編では廃業するデメリット、引退廃業者の現状アンケートについてのご紹介、事業承継の可能性について触れたいと思います。

 

その他参考文献

https://forval-shoukei.jp/detail/3214/

https://ma-navi.info/business-stop/